うちゅうのくじら

そりゃあもういいひだったよ

2023-01-01から1年間の記事一覧

なんとなく、山へ

しばらく山で過ごすことにした。テントを張って寝泊まりするのだ。できれば大みそかくらいまでいたい。 都会で過ごしていると、時々山に篭りたくなる。 そんな風に思い立ち、荷物を詰めて電車に乗った。 向かう先は母の生まれた村の山である。 山と言っても…

鼻の奥にある冬の記憶

冬は曇り空が良く似合う。 冬の曇った空はところどころ白くて、ところどころ銀色ねずみのような色をしている。どこか退廃的で、しかしどこか荘厳な雰囲気がある。 そのうすぼんやりとした空気に包まれて、空との境界があいまいになった街を眺めるのが好きだ…

誰かのサンタになるということ

ゆっくりくるタイプのサンタ 息子のクリスマスプレゼントを買った。 まだ早いが、ギリギリになってあせるよりはいいかなと思って毎年11月には用意するようにしている。 息子も今年で4歳となり、去年くらいから自分でほしいものを言うようになった。 さすが…

ひとはなぜ戦争をするのか(A・アインシュタイン/S・フロイト)

争いも、人類の数も減っていく未来世界 はじめに 人類を戦争から解き放つことができるのか。 背景 「今の文明においてもっとも大事だと思われる事を、最も意見を交わしたい相手と書簡を交わしてください」 人間の攻撃性を完全に消し去ることなどできない。 …

カーテンを洗う

村上春樹の「ノルウェイの森」に突撃隊、という登場人物が出てくる。 主人公の大学寮の相部屋住人で、病的なまでの清潔好きなのだ。 その住人のおかげで主人公の部屋は死体安置所のように清潔だったと描写されている。 床にはちりひとつなく、窓ガラスにはく…

洞窟のイドラ

この世界はありとあらゆる洞窟的偏見に満ちている。 人間は、しばしば思い込みや勘違いによる事実誤認を起こす生き物である。 いわゆる偏見や先入観、バイアスというものだ。色眼鏡、レッテルといった言葉も当てはまるかもしれない。そして、それらの思い込…

アホ毛みたいな枝

アホ毛みたいな枝が伸びてきた。かわいいのでそのままにしておこうと思う。

生まれた街の夢

物心ついたときから、わたしの周りには大きな建物がたくさんあった。 都会と言うよりは、他の都市で持て余されたものが集まってひとかたまりになったような街だった。それは建物もそこに住む人達も同じだった。 いびつで混沌としていて、総体として遠くから…

ガスボンベたちの行く末

昔から色々とため込む癖はあった。 本も冬眠前のリスのごとくため込んでるし、日々の消耗品に関してもストックが何個かないと落ち着かない。 防災に関しても割と用意している方だと思う。大体年に1回は備蓄品や避難リュックをチェックしたり、整理したりし…

伊勢神宮の穴場へ自転車で行く

ちょっとズルした高校受験の話 伊勢は私が高校生のとき3年間暮らした町だ。 その年の1月にオーストラリアから日本に帰国し、帰国子女の特別枠で高校受験した。合格したのが伊勢にある高校だったというわけだ。確か英語と国語、論文、そして面接だけで受験し…

東海道から伊勢まで自転車で走る

2日目スタート 8時過ぎに出発。快晴である。 あまりの気持ちよさにひとりニンマリしながら、自転車通学中の中学生たちを颯爽と抜き去った。目指すは約90キロ先の伊勢である。 さて、2日目の行程はこんな感じだ。 どれだけゆっくり走っても、自転車が壊れない…

甲賀の里を自転車で走る

さすが忍者の町、至る所にマキビシが落ちている。 砕いておみやげにした。 ちなみに踏むと普通にパンクの可能性があるため必死で避けている。イガが割と硬くて、角度が悪ければタイヤに刺さりそうなのだ。したがって、リアルにマキビシなのである。 あと「飛…

暇なので自転車旅に出る

突然だが、暇なので私が現在住んでいる大阪から実家のある三重県伊勢市まで自転車で帰ることにした。 約180キロの道のり 大阪からだと奈良を突っ切ったほうが140キロくらいで早いのだが、道中の峠越えがしんどいし、山中でトラブルがあった時に困るので、…

レゴランド大好きおじさん

大阪のレゴランドに息子と行ってきた。 着いたとたん猛ダッシュする4歳児。待ってくれ。 そこまで広くはないが、いくつかのアトラクションやワークショップ等が楽しめるプレイスポットである。詳細は公式リンクを参考にしてほしい。 アトラクション|レゴラ…

台風のブックカバー

一人で過ごす台風の日 暴風ポメラニアン 昨日朝方から暴風が本格化し、窓ガラスが独特のリズムでなり始めたので、午前5時過ぎに目が覚めた。頭はまだぼんやりしている。 私のハイツは築古なので大雨になると、窓のサッシの隙間から雨水が侵入してくる。 台風…

パースの思い出part1

オーストラリアでの日々 8歳からの3年間と15歳からの1年半、西オーストラリアのパース市で過ごしたことがある。 母親が父親と離婚したとき、かなりの額の慰謝料をもらったそうで、母はそのお金で長年の夢だった長期留学を実現させた。子連れの留学である。 …

リスの本集め

以前のブログで「幻魔大戦」が読みたくなったと書いたが、結局1巻だけAmazonで買ってみた。劇画のようなタッチの濃ゆい背表紙が懐かしすぎる。 ついでに気になってた本も買った。 「人間失格」は、むしょくになった時、頭の中にこの言葉がふんわりと浮かんで…

男女間の友情

大学生のころ 大学のころディスカッションの授業があり、そのときのテーマが「男女間に友情はありうるか?」だった。 私は「ありえない」という立場で持論を展開したのだが、同じサークルだった女の子から「じゃあうちらは友達ちゃうねんな」と言われ「うっ…

記憶ホタル

最近知ったことなのだが、記憶というのは、どこか特定の神経細胞に保存されるわけではないらしい。 細胞内ではなく、細胞同士の隙間に保持され、何か刺激があったときにそこに電気信号が走り、パッとその記憶が光るのだ。 人間の細胞は常に分解と合成を繰り…

本は買って読め、家は借りて住め

欲望の余韻 子供のプール熱が移ってしまい、しばらくダウンしていた。 息子はすでに元気全開で、TV電話のたびに「クレーン車買ってきて」「ポプコーンもいる(ポップコーンと言えない)」「スポーツカーもね」と全力で欲望をぶつけてくる。もちろん買わない…

うんちゃかダンス

発熱ふたたび 息子がまた熱を出した。 昨日から看病のため元妻の家へ馳せ参じている。むしょくの真価はこういうときに問われるのだ。 今回はアデノウイルスというものに感染した可能性が高い。 俗に言うプール熱というやつで、咳、咽頭痛などの症状と、息子…

湖の底の石

小さい頃、湖畔で飛び石あそびをしていたとき、ふいに怖くなってやめたことがある。 投げ入れられた石は湖の底の土を舞い上げたが最後、そこに永久的にとどまり続ける。 石は自ら動くことができず、湖が干上がってしまわない限り、もう二度と地上に戻ること…

「月とあざらし」小川未明

悲しみをやさしく照らす光「月とあざらし」 「どこかで、私のかわいい子供の姿をお見になりませんでしたか?」 我が子を失った親の悲しみと苦しみは普遍的なものである。 いかんともしがたい喪失感と、それでも自分は生きているという過酷な現実に直面すると…

よくわからないけど、ありがたい

それって奇跡じゃん、と思った話 むしょくになってからというもの、よく神社へ足を運ぶようになった。 単純に時間があるということもあるが、岡田斗司夫が彼のYoutubeで「不安や悩みがあるなら、神社に行って罪悪感をリリースしてくるといい」と言っていたか…

ひげとむしょくの親和性

「鼠」の髭剃り 村上春樹の「羊をめぐる冒険」という小説に、「鼠」という親友を追って人里離れた山小屋に一人たどり着いた主人公が、もぬけの殻になった小屋で「鼠」の生活の匂いを感じるシーンがある。「鼠」は几帳面な性格のようで、小屋の中はきちんと整…

べすてぃばぶ論争

むしょくの子育て事情 ここ一ヶ月、息子が高熱を出すことが多くなった。 今週は4日ほど39度前後の熱が続いている。 私は離婚しているが、子育ては手伝っていて、週に1~2度は会いに行く。 むしょくになってからは会う頻度が増えた。特に元妻も仕事を続け…

むしょくコーヒー

カフェイン中毒だったあの頃 働いていた頃は、ほぼ毎日4〜5杯くらい珈琲を飲んでいた。1日のカフェイン摂取上限の目安が400mgであることを考えると、かなりの量を取っていたことになる。むしょくになってからは飲む量がグッと減った。 人はストレスを感じる…

GOLDEN BALLの悲劇

小学生のころ、ワープロというものが家にあった。 ワープロとは、今でいうWordとプリンターが一体になったものであるが、そのころ母は大学に行っていて、その論文を書くのに使っていたものである。 母が無事卒業した後はもうお払い箱になったようで、部屋の…

むしょくという異世界転生

浮遊するむしょく むしょくになって約2ヶ月が経った。 数少ない友人からも「なんか雰囲気変わった」「半歩宙に浮いている感じ」と言われることもあり、むしょくという状態に、体と心がなじんできたように感じる。 ふわふわしているように見えるのだろうが、…

【てづくりおもちゃ】木のジムニーづくりpart⑨納車

約1か月の制作期間を経て、息子に納車。 しかし、実際に猫のぬいぐるみ乗せてみたところ、思っていたよりも猫が大きく屋根が閉まらなかった。 「あれ、閉まらないよ!」 と言う息子に(しまったなあ…)と頭をかいていると、 「こうすればいいよね!」と、息…