うちゅうのくじら

そりゃあもういいひだったよ

伊勢神宮の穴場へ自転車で行く

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ちょっとズルした高校受験の話

伊勢は私が高校生のとき3年間暮らした町だ。

その年の1月にオーストラリアから日本に帰国し、帰国子女の特別枠で高校受験した。合格したのが伊勢にある高校だったというわけだ。確か英語と国語、論文、そして面接だけで受験した記憶がある。つまり、本来なら5教科受けねばならないところをちょっとズルしたわけである。

あれから20数年以上経ったが、母はここが気に入ったのか、ずっと住み続けている。そういうわけで、私も帰省するときは伊勢へと帰る。ふるさと、というわけではないが、割と愛着のある場所でもあるのだ。

伊勢ブラ

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自転車で伊勢へと帰ってきてからしばらく雨だったが、久しぶり晴れたので自転車で伊勢をブラブラすることにした。

伊勢といえば伊勢神宮、となるくらい伊勢神宮は有名であるが、私の好きな場所はその伊勢神宮の内宮から少し離れたところにある。

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内宮の入り口にある駐車場から実はまだ奥へと行ける。この道は剣峠という峠道へとつながり、五か所浦という伊勢志摩方面へと抜けることができる。一昔前はこの道をバスが走っていたらしい。

その道を内宮の入り口から1キロ弱南下すると、私のお気に入りスポットがある。

Google mapでは「とび石」という名称で表示されている場所だ。内宮に流れている五十鈴川の上流にあたる。文字通り、いくつかのとび石が川の中に整然と並んでいる。

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内宮入り口から徒歩なら10-15分、自転車なら5分程度進むとたどり着く。

とび石へ

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今回は昨日までの雨で増水していたため、渡るのは難しかったが、普段はなんなく向こう岸までたどりつける。

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夏は涼がとれるし、足だけでも川につけると気持ちがいい。そして、基本的に誰もいない。時々野生の鹿に会えるくらいである。

人に限ってはわたしのような物好きがたまに訪れるくらいである。森と川を流れる水の音しか聞こえない場所なのだ。

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ぼけっとする贅沢

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ここは空を眺めながらぼけっとするには最高の場所なのである。

都会にいると、こういう場所はあまりない。自分の部屋だとついつい色んなことをしてしまうし、カフェだと人の目が何かと気になる。

ちなみに「ぼけっとする」という言葉は、日本語にしかないらしい。「何もしない」という言葉が近いような気もするが、「ぼけっとする」はより能動的である。つまり、あえてぼけっとするというわけなのである。ある意味、贅沢な時間の使い方だ。

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日本ぼけっと協会の会員である私にとって、貴重な場所なのである。

とび石を超えると

自転車に乗っていたら、少し奥までサイクリングするのもいい。車はほとんど通らないが、路肩は木の枝や石、砂利なんかが多いため、時々後方を確認しつつ道路の真ん中を走るのがいいだろう。真昼間でも木陰で薄暗い箇所があるので、前後ライトは点滅させておくとよい。

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ちなみにとび石から少し行ったところに天然水が汲める場所がある。県外からこの水を汲みにやってくる人もいるらしい。自転車乗りはここでボトルに水を補給できる。

ヒルクライムが好きな人なら、そのまま剣峠まで登るのも楽しい。

今回はそこまで行く気がないので、途中からで折り返したが、何年か前に登った時の写真を貼っておく。

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登れば登るほど道路に色んなものが落ちていて、路面状況はあまりよくない。特に下りは注意が必要だ。しかし、ほとんど車の往来もなく頂上からの眺めは最高である。

その後、五十鈴川に沿ってしばらくサイクリングして帰ってきた。

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すすきとハイタッチしながら進む道。

そんなこんなで日が暮れていく。

過去を回想して懐かしむのも良いが、そろそろ現在と未来に目を向ける時が訪れつつある。そんな予感がよぎった初秋のサイクリングだった。