ともだちが猫を飼っている。
カシミヤみたいな美しい和毛のお嬢さんである。
その毛並みは細雪のように繊細なのに、ふれると温かい。肉球はほんのりピンクで、永遠にぷにぷにしていられるほど心地よい。
なんというか気品のある猫だ。
しかし、
おてんばさんなのである。
写真よく見てほしい。両方の後ろ脚を使って猫キックをしている。
その後ひとしきり暴れ、ご満足な様子。
まるで御仏のような面持ちをされており、この世界のことわりをすべて理解しているような、それでいて空間そのものをおだやかに、かつ時の流れをゆるやかにしてしまうような表情である。
カリン様に似ている。